おっさんによる2次試験攻略法

なんとか2年で2次試験を突破することができました。
初年度は独学(ADABのB)、2年目はTBCでヤマグチルです。(71,66,58,64の259)

初年度は制約条件をぶっ放して豆腐を旅立たせましたが、他は及第点だったので、勉強の方向性はそんなに間違ってなかったかな…と思ってます。

決してドヤるような点数でもないのに、こんなことを書くのは憚られますが、誰かの参考になればと思って、自分の勉強したこと、あみだした攻略法をまとめてみました。

わりと長文なっちゃったけど、暇な人はお付き合いくださいませ。
なお、TBCメソッドはネタバレになるし、書いてませんので悪しからず。

(1)前提
2次試験は1次突破した猛者(しかもハイスペックな方が多い)が必死で努力をし、上位18%が合格する試験。
突き抜けて合格する天才と不勉強な方を除いて、多くの方の実力が拮抗してると思います。

「5回受けたら1回は受かる」、「運だよね」と本気で思っていますが、そういうと身も蓋もないので、少しでも必然性を高めることに必要な要素を洗い出してみました。

先輩合格者や予備校で教えてくれることかもしれませんが、わりと自分で気づいたことが中心です。

2次試験は「国語の試験」という論争でたまに荒れているようですが、国語力は当然に備わっているべき能力、と個人的には思っています。
国語力がないと、論理的に物事を考えられないし、文章を正しく理解できなかったり、短時間で簡潔に要約できないし…
国語力がある前提で、1次知識を使って解答するものと思って臨みました。

(2)浪人時代にやった勉強
①TBCの問題演習(DVD通信)
毎月4事例来るので、1日解いて、1日復習な感じで、わりとしっかり向き合いました。
解き直しは半分くらいしかしていません。

②TBCのオンラインスクール
予約争奪戦に破れた1回を除いて参加しました。
1時間で事例1〜3のショート事例を解くので、時間との戦いの訓練になりました。
あと、他の受験者のレベル感を知ることで、けっこう刺激を受けました。

セルフ模試的に過去問を解くのとは、緊張感の面で段違い。

③過去問演習
夏くらいから本気で解き始めて、TBCの演習込みで浪人時に80事例くらい解きました。
ふぞろい採点で、復習も30分程度のテキトーでした。
ふぞろい読んだら、だいたい、こういう勘違いをしてたのね…ってのがわかるし。
いくら読んでも納得いかない部分もあったりするので、そういう部分は放置してました。
6割とればいいわけだから、完璧を目指すのは時間の無駄と割り切りました。

解いた事例は過去10年程度です。
初年度が40事例くらいなので、全部で2.5週くらいです。

④事例4対策
30日完成→全知全能という鉄板コース。
4月くらいから1日1問は解いて、筋トレ的なノルマと割り切ってこなしました。

みんな苦手なNPV。本試験では2〜3問出ることが多く、最終問題はゲキムズ。
1〜2問目は70%くらいの確率で回答できるレベルに仕上げました。

少なくとも、減価償却費、年金現価係数とか、途中の計算式を書く癖付けをしました。
CVPも同様に普段から公式を書いたり、部分点狙いの癖付けをしていました。

⑤知識補充
TBCの聖書「抽象化ブロックシート」は夏頃から暗記を始めました。
無味乾燥な暗記だと使い物にならないので、2通りのアウトプットをしました。

・EBAの100文字訓練
毎日事例を解く時間がないので、これ便利でした。

・設問解釈訓練
まとめシートの野網先生が公開してくれているツールを活用しました。
過去問の設問のみから、解答骨子を作る練習をしました。
まずは自力で書き出して、抽象化ブロックシートを片手に補充。
さらにふぞろいで補完するみたいな感じ。
与件文読まないとわからないような問題は無視して、多面的に、芋づる式に1次知識をアウトプットする訓練をしました。

だいたい50文字だと1〜2論点、100文字だと3論点を書くことを心がけました。
課題は①〜、②〜。対応策は①〜、②〜。
みたいな枠組みつくって、キーワード掘り込んで、よくあるパターンを刷り込みました。

これを練習すると、与件文読まなくても、だいたい解答骨子が作れるようになるので、具体的な因果を書くために、与件文から欲しい情報を探しやすくなりました。

本試験でも、時間がなくて困ったら、空白で置いておくより、なんか書く時の助けになります。

youtubeでねとたすさんが仰ってることを参考にして、これを初年度から実践していました。

(3)テクニック
①与件文の読み方
3色フリクション(赤、青、緑)と蛍光ペンを使いました。
SOは赤、青はWT、緑はなんか重要そうなこと、蛍光ペンは制約条件や社長の考え、理念。
で、左右の余白にあれこれメモしたり。
事例3の本文に「納期遅延」とあれば、「解消する!」とか。
気づいたことをメモしておくと、設問への対応がやりやすくなりました。

②SWOTにはじまり、SWOTに終わる
模試の模範解答では、問1のSWOTが以降の設問できれいに伏線回収されています。
問2がWの改善策、問3がSを生かした戦略、問4が将来的な戦略とか。

問1で上げたSWOTを以降の設問で盛り込んだ解答をつくると「一貫性」が生まれます。
「一貫性」のある解答はプラスαで加点されるとか、しないとか(知らんけど…)
私は問2でWをしっかり改善しているのに、問1で盛り込み忘れたり…とか多すぎでした。

そこでSWOTのあたりを最初に付けつつも、解答は最後に回すことにしました。
これで解答の一貫性が増すわけです。

逆に活用できていないSWOTがあると、どこかの設問に盛り込み漏れがあるかもです。
難しい設問があるとすれば、未使用SWOT要素を使って何か捻り出せないか、考えてみるとたまにうまくいきました。

③設問解釈
大学受験の時の国語で使ったテクニックです。
設問文に「/(スラッシュ)」を入れて、単語レベルで食らいついていく。

例えば、令和4年事例1の第2問
「A 社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。」

twitterで投稿されている再現答案を見てると「定着」のことばかり書いている人が多くて、自分間違ったかもと焦りました。
雰囲気で文章を読んじゃうと、たしかにそうなるかも。

スラッシュを入れてみると、こうなります。
「A 社が/新規就農者を獲得し/定着させるために/必要な施策について、/中小企業診断士として /100 字以内で/助言せよ。」


聞かれているのは、「獲得策」と「定着策」の「助言」だから、
「獲得策は①〜、②〜、定着策は①〜、②〜」
ってメモして与件を読めば、大事故は防げるはず。

④事例1対策
「戦略」「組織」「人事」の3つのレイヤーが主に問われます。
何を聞かれているのか、よくわからない問題が数年に一度あったりします。
そうした場合、他の設問で問われていないレイヤーが怪しいと疑うと、何かしら筋道が生まれるかも。

⑤事例2対策
序盤の段落にある「地域資源」をはじめとした、街の特徴はだいたい「機会」なことが多い。
最終問題で、「強み×機会」の未来戦略で使う!と思い込んでおいたら困らない。

R3の事例2だと、序盤に「京都で修行した和菓子屋が多い」とあるから、コラボしましょ、となるわけで。
実際問題、第1段落読んだ段階で、これを「機会」と捉えることは困難…
だからこそ、機械的に「機会」と思い込む練習をしました。

実際問題、コラボがうまくいくかなんてわからんけど、そう答えてほしいから、「わざわざ」書いているんだろうなー。
与件文からはみ出たアイデア勝負はせず、1次知識と与件文の範囲だけで考えることを意識しました。

⑥事例3対策
「ダメなことを直してあげる」ことを考えれば、大事故は防げるはず。
SWOTのWに関して言えば、問2〜3の設問文にだいたい答えが書いてある。
(納期遅延、品質もばらつきを改善するため…とか)

多くの場合、受注生産をしていた企業が新規で量産依頼が入って現場が混乱。
日程計画が昔のまんまの月次計画で納期遅延が発生。
品質は意外と良いことが多い。

「月次計画を週次に改め、全社計画とする。生産統制を図り、納期遅延を防ぐ」
これが多くの事例の回答骨子になりがちなので、与件文から具体的なワードを拾って、はめ込んでいけばOK。

最終問題の多くは、S×Oで未来戦略。
ものづくりの強みを活かして、新たな機会(新規の取引照会)に対応するとともに、たいていヨワヨワな営業力を強化して、展示会出展とかして新規開拓、依存度低減などを図る感じ。

⑦事例4対策
特になし
日頃から触っておかないと、一気に筋力落ちるから、毎日コツコツ…

(4)精神論
スピリチュアルなのは嫌いですが、先にも書いたとおり、多くの受験生の実力が拮抗しているので、皆が実力通りの力が出せれば、多くの方が合格するはずです。
緊張したり、ど忘れしたり、勘違いしたりして、ルーティンを守れなかったりして、脱落していくのだと思います。

私は万年素人ゴルファーですが、100切りが2次試験の合格基準として、イメージしていました。
ボールを良く見て、ハンドファーストで、右手に力入れず添えるだけ、左手で素早く振り抜く、腰を回す…
色々と意識をしなければならないことが多く、どれかを意識すると忘れてしまう。

一発逆転で無茶をせず、確実に刻んで前に進めていく。
OB連発すると、やる気なくなるし、せっかくのバーディーチャンスで3パットすると、心折れます。
打ちっぱなしの実力が出せれば、スコアは80台も出せるかもしれないのに、メンタルも技術も不安定で、いつも110程度のスコアです。

とにかく平常心を大切に、深呼吸して、決して諦めずに!
6割とったらいいのだから、4割ミスできるんだから。
ミスをした者から脱落していく試験。

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意識してきたことはこんなことです。何方かのリベンジにお役立ちできれば幸いです。


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